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近年、日本全体で働き方改革が進んでおり、企業に勤めるだけが仕事という時代は変わりつつあります。そんな中、年々増えているのが、会社に縛られない「フリーランス」という生き方です。企業に属さずに、自身の力で仕事を取っていく「フリーランス」として働くために、何が必要なのでしょうか。
今注目の働き方である「フリーランス」を開業した際、ただ名乗るだけではうまくいきません。フリーランスに興味を持っている方、まず何から始めればいいかと考えている方へ、フリーランスとして開業したらやっておきたい10のコトをご紹介します。
「フリーランス」とは、一般的に特定の企業などに所属せず、自身の持つスキルや技術を提供する働き方のことを言います。これまでは企業に雇われて働くのが当たり前でしたが、フリーランスでは、案件ごとに各クライアントと契約して業務を行うという、自由な働き方となっています。
近年、政府の進める『働き方改革』により、広く知られるようになったフリーランス。会社に縛られず、自由に働けるこのスタイルに憧れる人も多いかと思います。しかし誰しもが向いているというわけではなく、しっかりと理解したうえで始めることが大切です。
フリーランスで働くということは、自身でどの仕事を受けるか決められる反面、どうしても収入が不安定になるという点が大きいという懸念があります。業務委託として企業と契約するフリーランスは、労働基準法の対象とはなりません。そのため休日の規定もなく、有給休暇などももちろんありませんので、無理をして体を壊してしまうと収入にも影響が出てしまいますので、体調管理には重々気を付ける必要があります。会社員の場合は、最低限決められた収入がありますが、フリーランスになれば成果によって報酬が変動するため、不安定となってしまいます。
それでは、いざフリーランスとして働くとなった場合、はじめに何をしなくてはいけないでしょうか。フリーランス開業時に、必ずやっておくべきコトを10点ご紹介します。
フリーランスになる前、企業に勤めていたのであれば、会社で健康保険に入っていたり、国民年金の手続がされていたりしたかと思います。しかし退職に伴い、健康保険証などは返却しなくてはいけません。
しかしフリーランスにとって、身体は何よりも大切。何かあった時、保険証無しで病院に行くわけにもいきませんので、必ず健康保険の切り替えを行いましょう。ちなみに退職後2年間は、会社の健康保険を継続することもできますが、会社の費用負担はないので全額かかってきます。(※退職後20日以内に手続きが必要)
それ以外であれば、国民健康保険に加入する方が多いかと思いますが、国民健康保険は前年度の収入に応じて、保険料が決まる制度となっています。元々の収入が低ければ、保険料も少ないでしょうが、前年の収入が多ければその分保険料も高くなってきます。(※退職後14日以内に手続きが必要)フリーランスでも、その職種によっては、健康保険組合を利用することが出来ることもあるので、どこが一番合っているかしっかり確認しておくことをオススメします。
開業にあたり、もう1つ必要な手続きが「国民年金」への加入です。手続きは難しいものではなく、お住まいの近くにある役所ですぐに手続きができます。
必要書類:年金手帳、厚生年金等退職の日付が分かるもの、印鑑、免許証などの身分証明書
期限:前職退社後2週間以内
申請場所:住んでいる市区町村役場の、国民年金担当窓口
フリーランスで働いていくうえで、提出しておきたいのが「開業届」です。開業届とは、「個人事業の開業・廃業届出書」の事を指し、税務署に対して提出します。もちろん開業する人が、必ず提出しなければいけないわけではないですが、所得税を青色申告で提出しようと考えている方は必須となります。どちらでもいいなら、面倒だと思う方もいるでしょうが、開業届を提出しておけば、小規模企業共済への加盟ができたり、屋号での口座開設が出来たりとメリットはあります。一時的な開業ではなく、本格的に個人事業主として動くのであれば、提出しておきたい書類と言えます。
必要書類:個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)
※書類は国税庁のホームページからダウンロードできます。
手続き期限:事業開始日から1ヶ月以内
提出先:税務署
税務署にも書類は置いてあるので、その場で必要事項を記載しても大丈夫。記入内容も、名前や住所などの基本的な個人情報がほとんどで、事業に関わるのは屋号や事業内容ぐらいなので簡単に記載できます。
会社員時代は、年末調整にて確定申告の手続きを代行して行ってくれていましたが、フリーランスになれば自分自身で手続きをしなくてはいけません。確定申告には「白色申告」と「青色申告(単式簿記)」「青色申告(複式簿記)」の3種類があり、それぞれで控除額が変わります。
経理としては、白色申告の方が簡単ですが、節税のメリットがあまり受けられません。青色申告の場合は、あらかじめ「青色申告承認申請書」を提出する必要があるものの、単式簿記では10万円、複式簿記なら65万円の控除を受けられるなど、所得控除などの優遇措置が大きいです。
・会計ソフトなどを導入する
青色申告をする場合に便利なのが「会計ソフト」の活用です。最近ではクラウド上にデータを保管する、クラウド会計ソフトが多く出ていてオススメです。自宅からネットで確定申告ができる「e-Tax」に対応したものや、銀行やクレジットカードを登録することで、自動的に入出金記録が連携でき、かんたんに帳簿が作れるものなど、用途に合わせて選べます。
代表的な会計ソフト:弥生、freeeなど
個人で仕事をするフリーランスといえど、銀行口座は必ず、事業用とプライベート用で分けるようにしましょう。同じ口座でやってしまうと、収入や支出がごちゃまぜになり、どちらで発生したものかがわからなくなってしまいます。銀行に行って尋ねれば、すぐに教えてもらう事が出来るので、必ず作っておきましょう。
また銀行口座と別に、会社用のクレジットカードも作っておくと、経理面でも非常に楽になります。ただしフリーランスになった後だと、会社員時代とは違い、収入が不安定なとこから信用が低くなり、審査に通りにくくなります。クレジットカードを作る際は、会社で働いているうちに作っておくと良いでしょう。
個人で使っているメールアドレスとは別に、仕事用にメールアドレスを作っておく必要があります。最近では、さまざまなフリーメールアドレスが登場していますが、よりビジネスとしての信頼度を高めるという点では、フリーメールアドレスは、オススメではありません。Googleなどで法人用のアカウントを、月額600円くらいから作成できるので、ビジネス用に1つ作っておくと良いかもしれません。
ビジネスにおいて欠かせない「名刺」も、必ず準備しておく必要があります。始めのうちは、沢山の人に名前を知ってもらうために、大量に必要となることもあるでしょう。しかしそこに多くの予算を割けるわけではないので、少しでもおトクに名刺が作れると良いですよね。最近では、無料テンプレートが用意された、名刺印刷サービスなどもあり、安価で準備することができます。(例:ラクスル、アドプリントなど)
フリーで働くようになると、業務内容にもよりますが、さまざまな書類を自身で用意しなくてはいけません。クライアントと業務委託契約を結ぶ際の契約書や請求書、さらに見積書など、業務を行うにあたって必要最低限の書類は準備しておきましょう。いつでも出せるよう、テンプレートやひな形を準備しておきます。最近では、こうした書類のテンプレートも、インターネットで検索すれば無料でダウンロードできるようになっているので、自身の業務に合わせて編集して使えます。
フリーランスで働く場合、顧客がほぼゼロの状態から始まります。宣伝活動や集客、仕事関係の人達とのコミュニケーションのため、今やSNSは重要なビジネスツールとなっています。しっかりとしたホームページを作るでもよいですし、Facebookやブログなどをホームページ代わりにしている人もいます。現代の強力な営業ツールであるSNSは、登録必須です。
今や何をするにも欠かせないツールとなった、インターネット。フリーランスで働く場合も、もちろん重要です。自宅のネット回線はもちろん、外周りが多い方は、ポケットWi-Fiを準備して、どこででもインターネットに繋げるようにするなど、通信環境は外せません。また携帯電話も、プライベート用と別に、仕事用で分けることがオススメ。仕事相手からの連絡と、プライベートの連絡は分けて入ってくるようにすれば、友人と話している時にクライアントから電話が入ってきて取れないなどが無くなります。
書類同様、仕事で使う備品も揃えておく必要があります。個人事業主登録をしているのであれば、社判も準備しなくてはいけません。契約書などに押す実印の他、会社名や住所が入った印鑑もあると封筒などで郵便物を出すことが多い人には、非常に便利です。
さまざまなサイズの封筒や、切手類も準備しておくと、いざという時に購入せずに済みます。オフィスを構えるという方は、机や椅子、パソコンなどの事務用品も揃える必要があるでしょう。
フリーランスで開業した際、やっておくべきことについて10点紹介しました。企業から外れるということは、何もかも自分自身でやらなくてはいけません。個人事業主として働けるかどうか、お金の管理や税金のこと、事前に準備しておかなくてはいけないものなど、やることは沢山あります。
今回の記事で紹介したものは、必要最低限のことになります。分からなければ、まずこの10点から始めてみてください。
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